【ジブナル・サマープログラム Day7最終回】自分の人生の最終責任者は自分——1人1人が語った「未来をつくるキャリア開発」
ジブナルが開催する「ジブナルサマープログラム」。今年初開催となる本プログラムは、中高生向けの少人数限定・全8日間の短期集中型ビジネス教育プログラムです。本記事は、サマープログラムの様子をお伝えします。今回は、最終日Day7のレポートです。
<ジブナルサマープログラム2026>
Day 0(7/31):未来をつくる先輩との対話 (ゲスト:畑田 氏、田中 氏、林 氏、丸山 氏)
Day 1(8/1):考えるヒケツと問いのチカラ(講師:濱 暢宏)
Day 2(8/2):売れるヒケツと人気のカラクリ(講師:村上 佳代)
Day 3(8/3):稼ぐ仕組みとお金の動かし方(講師:森 暁郎)
Day 4(8/4):ゼロをイチにするプロトタイプのチカラ(講師:加藤 彰宏)
Day 5(8/6):共感と協調のリーダーシップ(講師:若杉 忠弘)
Day 6(8/7):未来をつくる越境力の磨き方(講師:唐川 靖弘)
Day 7(8/9):未来をつくるキャリア開発(講師:中村 直太)
講師プロフィール
中村 直太(なかむら なおた) さん

インテリジェンス(現パーソルキャリア)にて、人材紹介事業のキャリアコンサルタントや事業・サービス企画(BPRやCRMなど)を担当。その後、グロービスに入社し、学生募集チームの責任者、拠点マネジメント、アルムナイチーム設立、デジタルサービス開発などを経て、現在は学習体験企画、セミナー開発などに従事。
個人としては、利他的情熱に生きる経営人材に伴走し、パーソナルコーチやアドバイザー、社外取締役に従事。また、高校生を中心とした若者のキャリア教育、就労支援、居場所支援を行うNPO法人キャリアbase の理事を務める。
そして迎えたDay7は、ジブナルサマープログラム全8日間の最終回。テーマは「未来をつくるキャリア開発」です。1コマ目はこれまで積み重ねてきたCAN(できること)・持ち味・価値観を掘り下げる時間、2コマ目は「働く」「自立する」ということの意味とNEED(社会の求めるもの)を考える時間、そして3コマ目は、参加した生徒全員が自分の未来像をワークシートにまとめ、一人ひとり前に立って発表するという、これまでの集大成の時間となりました。
1コマ目:これまでの学びを振り返り、持ち味と価値観を言葉にする
中村さんはまず、「今日はこれまで考えてきたWANT(やりたいこと)・CAN(できること)をしっかり考え抜いて、最後は代表者にみんなの前で宣言してもらおうと思います」と、最終回の進め方を共有しました。
中村さん:「未来のことなんて誰にも分かりません。皆さんには可能性がすごくあるわけで、何だってできる可能性がある。だから、自分にとって正しければオッケーだと思って、軽やかにやってみよう。」

これまでの学びを振り返る
ウォームアップとして、まずは「将来のことを考えてこの場で宣言する」ということへの期待と不安をグループで共有。「将来像がはっきりする」という期待の声と、「中学生・高校生のうちにそこまで鮮明に考えられるだろうか」という不安の声、その両方が上がりました。中村さん自身も高校時代は「サッカー選手になりたい」程度の解像度しかなかったと明かし、「分からなくて当たり前の中で、今一番考えられることを考えよう」と呼びかけました。
続いて行われたのは、Day0からDay6までの7日間を振り返り、「一番印象に残っている学び」をグループで共有するワーク。マーケティングを学んで「コンビニでなぜこの商品がここに置かれているのか」を考えるようになった、稼ぐ仕組みを学んで自分でも小さく作ってみた、WANT・CAN・NEEDという3つの視点で自分の将来を考えられるようになった——など、それぞれの学びが語られました。
持ち味リストに向き合う
中村さんは、「できること」はスキルだけではないと語ります。人を応援するのが自然にできる人、物事に熱中するのが当たり前な人——本人にとっては当たり前でも、周りから見れば才能である「持ち味としての行動」があるはず。そこで配られたのが「持ち味リスト」というワークシートです。

生徒たちは、Day0 で受けたコンピテンシー診断「to-beレポート」を手元に置きながら、 持ち味リストの中から自分に当てはまる言葉を探していきます。リストに 並ぶのは「提案する」「分析する」「成し遂げる」といった、行動を表す動詞たち。to-be レポートに書かれた自分の特性と照らし合わせつつ、生徒たちは 5 分ほどかけてじっくりと自分と向き合 い、3 つ程度の言葉と、そう思う理由を書き出す個人ワークに取り組みました。
「自分の持ち味は何だろう?」——Day0 からずっと手元にあ るレポートを見返しながら、自分と向き合う時間です。その後グループ内で発表し合うと、 「やっぱりそれぞれ持ち味が違うんだなと実感した」という声が 上がりました。

中村さん:「みんなは今後、持ち味を活かして活躍していくわけだから、自分の持ち味というのを知っておいてほしい。」
モチベーショングラフで人生を振り返る
持ち味リストの裏面を使って行われたのが「モチベーショングラフ」。これまでの人生を思い出し、心が躍った時を山、辛かった時を谷として、点と線でグラフに描いていくワークです。中村さん自身のグラフも共有されました。

中村さん:「モチベーションがなぜ上がっているのか、なぜ下がっているのかを考えるのが大事。僕の場合は、好きなことに没頭できたことと、コツコツ上達したことが、上がった理由の裏側にありました。」
生徒たちは10分ほどかけてじっくりと自分のグラフを描き、3〜5分ずつグループ内で発表。「浮き沈みの背景にどんな価値観があったか」という一番大事な問いに向き合いました。
価値観リストで「大事にしていること」を言葉にする
モチベーショングラフだけでは見えてこなかった価値観もあるとして、次に配られたのが「価値観リスト」です。「人は自分が大事にする価値観を満たしたくて生きている」という前提のもと、自分がしっくりくる言葉を3つほど探すワークが行われました。

最後に、これまで考えてきたWANT(やりたいこと)と、今日見つけた価値観がどうつながっているかを考える時間が設けられました。
中村さん:「WANTだけをやっても、価値観が満たされないことをやっていると、やっぱり辛い。自分の価値観を知った上で、それを満たしていけるような働き方や、やりたいことを見つけていけるといいんです。」
1コマ目の終わりに中村さんは、Day0からこれまで出会ってきた先輩たち——畑田さん、林さん、田中さん、丸山さんら——が、それぞれの持ち味を活かして活躍している姿を振り返り、「皆さんのこれからの人生も、そういう予感がします」と語りかけました。

2コマ目:「働く」「自立する」とは何か、社会のNEEDを見つめる
2コマ目のテーマは、WANT・CANに続く最後のピース「NEED(誰かの役に立つこと)」です。中村さんはまず、「なぜ、自分がやりたくて、自分ができることをやるだけではダメで、誰かの役に立つことが必要なんだろう?」という問いを投げかけ、そこから「働く社会人になるとはどういうことか」というテーマに一度寄り道をします。
「働く」ということへのワクワクとドキドキ
「働くとか社会人になるって聞いたら、どんな気持ちが湧いてきますか?」という問いに、生徒たちからは「社会に貢献できることへのワクワク」「活躍したいという気持ち」といった前向きな声と、「自由にできることが減りそう」「精神的にも大変そう」「イメージできないから怖い」といった不安の声、その両方が挙がりました。
中村さんは、高校生への意識調査でも同じように「やりがいがあって楽しそう」という声と「大変そう・苦しそう」という声の両方が多いことを紹介し、このワクワクとドキドキの正体は「自分の足で立つ」ということへの感覚だと語ります。
自立の4つの種類
そこで「自立って何?」とグループで話し合うワークが行われました。「他人に依存せず生きていけること」「自分で生活したり、存在証明を自己完結させること」など、それぞれの言葉が飛び出します。

中村さんが紹介したのは、生活的自立(身の回りのことを自分でやる)・経済的自立(自分の稼ぎで生活する)・精神的自立(自分で判断し決める)・社会的自立(社会における役割を果たす)という4つの自立です。
中村さん:「自立というのは、一人だけで生きていくということではありません。適切に他者の力を借りながら、健全なる精神を備えた大人として、社会の誰かの役に立つ自分の役割を担い、自分の足で立って生活を営むこと。その自立という概念の中に、実はNEEDが入っているんです。」
社会の「要求リスト」から自分のNEEDを考える
「より便利に、より安全に、より豊かに生きるために必要なものは何か」「気になっている社会の問題は何か」——この2つの問いについて、個人で考えたあとグループで共有しました。スマホの充電が切れて困った経験から生まれたモバイルバッテリーのレンタルサービスなど、身近な「困りごと」がビジネスになる例も紹介されました。

中村さん:「仕事とは、みんなの困りごとを解決する仕組みを作ること。社会のどんな要求に応えていくことに自分はやりがいを感じそうか、どんな問題を解決していくことにワクワクしそうか——それを考えていくことが、自分のNEEDを見つけることにつながります。」
ワークシートの裏側——うろうろアクション・感謝・宣言
最後30分弱は、この日のゴールとなるワークシートを完成させる時間です。表側にはWANT・CAN・NEEDをもとにした「自分らしく生きる未来像」を、裏側には「うろうろアクション」「感謝」「自分への宣言」を書き込みます。

「うろうろアクション」は、Day6の唐川さんの回で紹介された考え方を借りたもの。未来像に向かって一直線に進むだけでなく、自分の可能性を広げるために寄り道をすることの大切さが語られました。
そして、なぜワークシートに「感謝」の欄があるのか。中村さんは、私たちが生きているだけで、社会の仕組みや他人の労働という膨大なシステムの恩恵にタダ乗りしていることに気づいてほしいと語ります。

中村さん:「当たり前だと思っていると、絶対に感謝は浮かんでこない。当たり前と考えがちなありがたいことに気づくことから、僕らは感謝の気持ちが芽生える。感謝の気持ちを持っている人は、人とのつながりというエンジンをうまく使えるんです。」
共に学んできた仲間への感謝、支えてくれる親や大切な人への感謝、そして「未来を作る最高責任者は自分自身」として、これからどんな角度で未来を実現していくかという自分への宣言。この3つを書き込んで、ワークシートは完成です。
3コマ目:全員発表——一人ひとりが語った「自分らしく生きる未来像」
最終回となるこの日は、当初は代表者のみの発表予定でしたが、直前になって「全員発表にしよう」と方針が変更されました。持ち時間はひとりあたり5分ほど。ワークシートに書き込んだWANT・CAN・NEED、価値観、持ち味、そして仲間や親への感謝と自分への宣言を、一人ひとりが自分の言葉で語り、そのたびに仲間からの質問やコメントが飛び交いました。














まとめ——あなたの人生の最終責任者は、あなた自身
全員の発表が終わったあと、中村さんから最後のメッセージが贈られました。「未来を考えることは、いくらでも先送りにできる。でも、それは文字通り先送りでしかない。どこかで絶対に考えなければいけないことなんです」。
中村さん:「自分の未来と真剣に向き合うときに、絶対にしてはならないことがあります。それは、主導権を手放すこと。主導権を握るのは、いつでも責任を負う人。では、あなたの人生の最終責任者は誰ですか? 親でも、社会でもありません。もう紛れもなく、自分自身なんです。」
中村さんは、わずか14歳で「大人になるための5つの覚悟」——決められることは自分で決める、初めてのこと・苦手なことこそトライする、向かいたい将来像を決めて力強く歩む、テストだけでなく将来のために学ぶ、いい仲間と切磋琢磨する——を掲げた人物の言葉を紹介し、「今日みんなが宣言してくれたことは、まさにこれに沿うものでした」と生徒たちの発表を讃えました。

全員の発表のあとには、修了証の授与式が行われました。8日間の連続した学びを積み重ね、最後にキャリアの宣言をしたことが修了の証です。ひとりずつ名前が呼ばれ、ジブナル代表の濱から修了証が手渡されました。

濱:「皆さんが今日これだけ喜んでくれたことを、本当に嬉しく思っています。皆さんのキャリア開発はここで終わりではなく、これからも続いていく。皆さんの成長や挑戦を、僕らも応援していきたいと思っています。」

1コマ目では持ち味と価値観を掘り下げ、2コマ目では「働く」「自立する」ということの意味とNEEDを見つめ、そして3コマ目では、参加した一人ひとりが自分自身の言葉で未来像を語りました。Day0から積み重ねてきたWANT・CAN・NEEDというジブナルの軸に、最終回となるこの日、全員がそれぞれの答えを描き出しました。全8日間にわたるジブナルサマープログラム2026は、この日をもって幕を閉じました。

すべてのプログラムを終えたあとは、8日間のプログラムに参加してくれた講師や保護者の方も交えて懇親会。みなさんいい笑顔ですね。


保護者の方からのコメント
そして翌日ーー。
ある保護者の方からあたたかいコメントをいただきました。
お住まいが名古屋の方で、8日間という期間での参加は決して簡単な決断ではなかったということ。それでも「息子にとっての“学びの旅”になる」と直感し、新幹線で親子2人で上京し参加をしてくださった方でした。
プログラム開始前の息子さんは「サッカーのキックが上手くなりたい」と語る、等身大の高校1 年生。しかし各分野の第一線で活躍する講師陣による、大人でも受けたいと思うほど密度の濃いセッション、そして仲間の鋭い発言や、失敗談を笑顔で語る先輩たちの姿に触れるうちに、「まずは口に出してみることが大事だ」と気づき、普段は緊張する場面でも自然と話せるようになっていったそうです。
そして迎えた最終日の行動宣言で、本人の口から飛び出したのは「大衆迎合型の日本を変えたい」という言葉。「キックが上手くなりたい」から一転、社会をどう良くするかという未来志向の言葉が自然に出てくるようになった息子の姿に胸が熱くなったと振り返ります。
「ジブナルは知識を与える場ではなく、「考える力」を育てる場でした。息子の成長だけでなく、親である私自身も“口出しせず、信じて任せる”という大切な姿勢を学ばせてもらいました。」
名古屋から東京まで一人で新幹線に乗って向かった息子の背中を見て、親としての覚悟も育ててもらった——そう締めくくったコメントに、子どもだけでなく保護者にとっても大きな 8 日間だったことがうかがえます。
ジブナル濱・運営スタッフからのメッセージ
8 日間にわたるジブナルサマープログラム 2026 は、無事に終了しました。最終日、生徒の 皆さん一人ひとりが自分の言葉で未来を語ってくれた姿に、私たちスタッフも大きな手応え を感じています。今回得た気づきや芽生えた思いは、まだ小さな種かもしれませんが、 その種がこれからどんな行動として芽吹いていくのか、ジブナルは今後も皆さんのそばで見 守り、応援し続けていきたいと思います。参加してくれた生徒の皆さん、支えてくださった保護者の皆さん、そして講師の皆さん、本当にありがとうございました。


2026年 9月30日(水) 21時〜(オンライン)
中高生向けビジネススクール『ジブナル』の
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