【ジブナル・サマープログラム Day4】60点でも形にする。LP制作とAI実演で学んだ「ゼロを1にするプロトタイプの力」

ジブナルが開催する「ジブナルサマープログラム」。今年初開催となる本プログラムは、中高生向けの少人数限定・全8日間の短期集中型ビジネス教育プログラムです。本記事は、サマープログラムの様子をお伝えします。今回は、Day4のレポートです。

<ジブナルサマープログラム2026>
Day 0(7/31):未来をつくる先輩との対話 (ゲスト:畑田 氏、田中 氏、林 氏、丸山 氏)
Day 1(8/1):考えるヒケツと問いのチカラ(講師:濱 暢宏)

Day 2(8/2):売れるヒケツと人気のカラクリ(講師:村上 佳代)
Day 3(8/3):稼ぐ仕組みとお金の動かし方(講師:森 暁郎)
Day 4(8/4):ゼロをイチにするプロトタイプのチカラ(講師:加藤 彰宏)

Day 5(8/6):共感と協調のリーダーシップ(講師:若杉 忠弘)
Day 6(8/7):未来をつくる越境力の磨き方(講師:唐川 靖弘)
Day 7(8/9):未来をつくるキャリア開発(講師:中村 直太)

目次

講師プロフィール

加藤 彰宏(かとう あきひろ)さん

IT・Web領域を中心に、サービス開発、マネジメント、組織運営、人材育成に従事。現在は株式会社SchooのCTOとしてプロダクト組織を率いており、それ以前も複数の企業・事業フェーズで、開発現場から組織づくりまで幅広く経験してきました。技術と事業の両面に携わってきたことを強みとしています。

ジブナル・サマープログラム Day4では、これまで学んできたマーケティングや価格設計の内容を踏まえ、いよいよ「形にする」工程に入りました。この日のテーマは「ゼロを1にするプロトタイプの力」。講師の加藤さんは、ランディングページ(LP)制作とAIを使ったECサイトの実演を通じて、まず作ってみること、そして作ったものを見せて改善していくことの大切さを伝えました。

冒頭では無人島ゲームで場を温めつつ、その後はLPの見方、作り方、さらにAIを活用したサイト制作へと進行。生徒たちは実際に手を動かしながら、プロダクト開発の基本と、AI時代に人が担う役割について考えました。

「まず楽しもう」から始まったDay4

Day4の最初に、ジブナル代表濱はここまでの流れを振り返りました。先輩の話から始まり、マーケティング、価格、お金、そして今回のプロトタイプ制作へとつながってきたことを整理し、この日が前半の節目にあたることを共有しました。

続いて登場したのが、この日の講師である加藤さんです。加藤さんは社会人教育の事業でプロダクト責任者とCTOを務めており、長くエンジニアとしてものづくりに携わってきた経験を紹介しました。また、授業アシスタントとしてシステム開発を本業とする八木さんも加わり、生徒の制作をサポートする体制で授業が始まりました。

加藤さん:「今日はどちらかというと、形にするっていうのを大事にしていくというところで、プロダクト開発とか、プロトタイプに作るっていうのは、とても難しいことを今日みんなでやろうとしています」
加藤さんは、ジブナル4箇条にも触れながら、この日のキーワードとして「まずやってみる」「60点でも世の中に出してみる」を強調しました。

「最初の3秒で分かるか」LP(ランディングページ)の見方を学ぶ

加藤さんは、冒頭のアイスブレイクのあと、LPとは何かを解説しました。検索広告などをクリックしたあと、最初にたどり着くページがランディングページであり、その役割は「見てもらって終わり」ではなく、次の行動につなげることにあると説明しました。

比較対象として示されたのは、左にタピオカの魅力が整理されたページ、右に情報量の多いページです。生徒たちは、どちらが「見たいページ」か、その理由は何かを考え、個人で書き出したあとグループで共有しました。

全員が左を選ぶ中で、次のような意見が挙がりました。

生徒:「色が見やすい」
生徒:「情報が項目別にまとまっている」
生徒:「タピオカの絵があることで、タピオカ屋さんなんだなって思える」
生徒:「文章が短くて読みやすい」
生徒:「イラストを多用しているが、かわいいイメージになる」

これを受けて加藤さんは、LPを見る上での重要な観点を整理しました。特に強調されたのは、次の4点です。

  • ぱっと見て最初の3秒で分かるか
  • 誰向けのページか分かるか
  • 写真と言葉に統一感があるか
  • 最後にどういう行動を促すのかが明確か

加藤さん:「最初の3秒で分かるかっていうのが、ランディングページのすごく重要なところです。最後の行動が明確かっていうのが、ランディングページ、LPにとってすごく重要な要素になっています」

「作る前に整理すること」誰に、いつ、何を、どうしてほしいのか

LP制作に入る前に、生徒たちはDAY3までに取り組んできたおにぎり屋さんのLP構想を整理するワークに取り組みました。加藤さんが示した整理項目は4つです。

  • 誰に届けたい?
  • どんなときに買ってほしい?
  • いちばんの魅力は?
  • 最後にどうしてほしい?

この4項目は、前日までの学びともつながっています。代表濱からも、ターゲットやシーン、魅力はこれまで考えてきた内容の延長線上にあり、新しく考えるのは「最後にどうしてほしいか」**だと補足がありました。

:「最終的には皆さんも、売上を作らなきゃいけないんだ。売って、買ってもらわなきゃいけないから」

生徒たちは個人で構想を整理したあと、グループ内で共有し合い、フィードバックを受けました。加藤さんは、本来であれば他者の視点で少しでも案が磨かれることを期待していた様子で、こう呼びかけていました。

加藤さん:「自分一人だと、気づかない視点とかっていうのは結構あると思うんだよね。だから、そういうのを他の人に指摘してもらうことによって、さらに自分の意見っていうのを良くしていく」

「できないよっていう人は、一緒にやっていきましょう」StudioでLP制作に挑戦

2コマ目は、午前に整理した構想を実際にLPとして形にする時間です。使用したのはStudioというノーコードWeb制作ツール。加藤さんは、新しいプロジェクトの作成から、ボックス、テキスト、画像の配置まで、実際の画面を見せながら進めました。

操作説明では、幅を100パーセントに設定すること、高さを決めること、テキストサイズを調整すること、画像をアップロードして配置することなど、基本の骨格作りが丁寧に示されました。
午後の冒頭には、改めて午前のチェックポイントも振り返られています。

加藤さん:「見てもらう人に伝えたいことが見えるか、っていうところと、あと、誰向けなの、っていうところが大事です。写真と言葉に統一感があると、ちゃんと刺さるのと、最後どういう行動を促すのか、っていうところがポイントです」

生徒からは、「ボックスの中にボックス入れるって、どういうの?」「画像はどうやって入れるの?」と、初めてのLP制作に疑問がいっぱい。その都度、加藤さんと八木さん、濱がサポートに回っていました。

生徒同士教え合う姿も

加藤さん:「実際に商売するときには、人のサイトの画像っていうのは、勝手に使ってはいけないので、ここは注意が必要です」

「がんばれ高校生おにぎり!」実際の制作から見えたLPの工夫

デモの中では、「がんばれ高校生おにぎり!」という見出しを置き、部活終わりの小腹を満たすおにぎりという設定でサンプルLPが組み立てられていきました。

キャッチコピー、画像、こだわりポイント、ボタンをどう置くかを確認しながら、加藤さんは「まず骨格を作ればいい」と繰り返していました。さらに、色味や角丸、画像の大きさ、テキストの太さなども、その場で変更して見せています。

加藤さん:「ボックスをやって、イメージを入れて、テキストを入れて、まず骨格を作ればいいんだよね。サイズ変えましょう。今度は色も変えたいと思ったときには、この色のところを選んで」

制作終盤では、最後のボタンの重要性が改めて強調されました。

生徒たちはそれぞれの端末で作業を進め、公開URLを出して見せ合う場面も生まれました。発表されたページには、「フォントがいい」「写真と色が合ってる」「3秒で見たときに伝わる」といったコメントが上がり、短時間で作られたとは思えない仕上がりに拍手が送られていました。

「AIって、何が得意で何が苦手だと思った?」まずは体験から考える

3コマ目では、LPの先にある「売り場」として、ECサイトをAIで作る実演に入りました。その前段として、まずはAIに触れてみるワークが行われました。そのうえで、AIの得意なことと苦手なことを考える時間が設けられました。

生徒からは、「いつでも対応できる」「疲れ知らず」といった得意な点や、「同調しすぎる」「知りたいことになかなかたどり着かない」「人間の気持ちに寄り添うのは難しい」といった苦手な点が挙がりました。

加藤さん:「AIが言ってるんだけど、本当に正しいのかっていうのを確認するっていうのはすごく重要です。何か問題が起きた時、AIがこう言ったので、という理由を伝えてもAIは絶対に責任取ってくれない」

加藤さんは、AIの特性を次のように整理して説明しました。

  • 速く大量に生成できる
  • 知識が多い
  • 言葉にするのが得意
  • アイデアの壁打ち相手になれる
  • 24時間使える
  • 指示通りに繰り返せる

一方で、

  • 必ず本当のことを言うわけではない
  • 感情や文脈の機微は分からない
  • 「何を作るか」は自分で決めない
  • 最新情報や個人情報は持っていない場合がある
  • 責任は取らない

という限界もあることが共有されました。

「おにぎり屋さんのECサイトを作る」AI実演で見えた速さと限界

AIの話を踏まえた上で、加藤さんは今度はClaudeを使い、おにぎり屋さんのECサイトをその場で作り始めました。生徒たちから条件を集めながら、仕様を日本語で入力していきます。

設定された内容は、中高生向け、おにぎり8種類前後、価格、送料、ショッピングカート、初回送料無料、学校向け要素などです。商品としては、しゃけ、梅、ツナマヨ、明太子、おかか、昆布、わかめ、塩、とうもろこし、サラダセット、味噌汁、ドリンク類などが挙げられていきました。

実行前には「何分ぐらいでできると思う?」という問いかけもあり、生徒たちからは「3分」「1時間」「2時間」とさまざまな声が出ました。加藤さんは、自身が以前大手ECモール運営ややお弁当ECサイトの開発に携わっていた経験に触れながら、かつては多数のエンジニアと長い期間が必要だったことを紹介しました。

AIは仕様を読み取り、デザイン方針まで自動で提案します。クリーム色をベースに、炙り醤油のような赤や海苔の色をアクセントにすること、レシート風のカートにすることなどが示され、その後実際に画面が立ち上がりました。

最初のバージョンでは、注文カートや送料無料条件、ポイント付与などが実装されており、生徒たちは全員分の注文を仮に入れて購入体験を試しました。結果として、およそ7分ほどでプロトタイプが完成しました。

加藤さん:「5分前後で大体システムができてしまうっていう恐ろしいのか、めちゃくちゃ便利なのか、分からないけど、すごい時代になりましたっていうことですね」

一方で、完成したサイトには課題も残っていました。たとえば「中高生向け」なのにビールが残っていること、写真がなく食欲をそそりにくいこと、紹介文が足りないことなどです。これを見ながら、生徒たちは「何が足りていないか」を改めて出し合いました。

生徒:「おにぎりのイラストか写真欲しいよね」
生徒:「値段順で並べたい」
生徒:「紹介文とか」
生徒:「学校に届けられるようにしてほしい」

「使ってみてもらって、どんどん成長する」改善版ECサイトが完成

生徒の要望をもとに、加藤さんはもう一度AIに修正を依頼しました。今度は、人気ランキング、画像、紹介文、学校名や学年・クラスの入力、受け取り時間の指定、品質保証、学校配達対応などが追加された形です。

改善後の画面では、「おにぎり便」という名前のもと、人気ランキングや各商品の説明文、学校向けの受け取り項目、注文完了時の詳細表示まで備わったページに進化しました。カートの個数変更もでき、音までつく仕上がりになっていました。

加藤さん:「みんなの欲しい要望を詰め込んだから。同じように要望っていうのを追加でどんどん入れていくことによって、どんどんシステムがブラッシュアップされてって、いいものが出来上がる」

ここで加藤さんが伝えたかったのは、AIですべてが終わるわけではなく、使ってみて、足りないところを見つけ、改善していくループこそがプロダクト開発だということでした。

加藤さん:「作って終わりじゃないよね。お友達に使ってみてもらって、どういうところが使いやすかったか、どういうところが使いにくかったかっていうのを聞いていくと、それをまた入れていくことによって、どんどん成長していきます」

「AIにはできないことは何か」人の役割を考えるワークへ

AIによるECサイト実演のあと、生徒たちは2つのテーマで考えるワークに取り組みました。
1つ目は、AIが簡単にシステムを作れる時代に、人の役割はどう変わるのか
2つ目は、今日の技術を使ったら、自分ならどんなアプリを作りたいかです。

生徒たちからは、人の役割として「AIが暴走しないように管理する」「ゼロからアイデアを出す」「人の気持ちに寄り添う」「AIの最終チェックをする」といった意見が挙がりました。

アプリのアイデアも多彩でした。和食をしっかりデリバリーするサービス、外国語をすぐ日本語に翻訳するアプリ、無意識に止めたアラームを止めきれない仕組みのアプリ、メモを項目別に自動整理するアプリなど、自分の生活や困りごとに寄り添った発想が並びました。

加藤さん:「AI自体でも変わらないことっていうのは、決めることっていうのは苦手ですっていうのと、AIは本当に責任を取ってくれません。決めるのはみんな人なんですよっていうのは絶対に覚えておいてほしいところです」

「意思を持つ、意思決定する、真の意味の創造性」最後のまとめ

終盤では、加藤さんがこの日の内容を総括しました。AIと一緒に作る流れを実際に体験したこと、やりたいことを言葉にし、作って、確認して、直すというループは、AI時代でも変わらないことが改めて確認されました。

加藤さん:「ものづくりっていうのは、1人では完成しないっていうのは今日実感できたかなと思っています。人間同士で作っていくっていうのは、これからも続くと思っています」

さらに代表濱からは、AI時代の人の役割について、3つの視点が紹介されました。

  • 意思を持つこと
  • 意思決定すること
  • 真の意味の創造性を発揮すること

特に印象的だったのは、インターネット上にある情報よりも、人の心の中にある情報のほうが大きいという話です。だからこそ、いろいろな人に会い、話し、関係を作ることが、これからの創造性につながるのだと語られました。

Day4で生徒がつかんだ「まず作る」感覚

Day4は、LPの考え方を知り、構想を整理し、実際にStudioでページを作り、さらにAIでECサイトを形にするという、非常に密度の高い一日となりました。

この日を通じて繰り返し伝えられたのは、完璧でなくてもまず出すこと作ったあとに直していくこ
、そして人の声を聞きながらより良いものにしていくことでした。

加藤さん:「60点でも出すことっていうのはすごく大事なので、まずやってみるっていうのはすごい大事だと思うんです。やってみたら実はできるじゃんっていうこと、いっぱいあると思うので、まずプロダクト作りっていうのを作ってみるっていうのをどんどんやってみてほしいなと思っています」

前半の節目となったDay4は、生徒にとって、学んだ知識が「考えるもの」から「作って試すもの」へと変わる一日だったと言えます。次回以降は、こうしたものづくりを支える共感や協調、そして自分自身の探究へと、学びがさらに広がっていきます。(Day5へ続く)

加藤さんとの集合写真

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